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When father was away on business
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1985年
パパは、出張中
監督:エミール・クストリッツァ


第二次世界大戦後、6歳のマリクは父と母、祖父、兄とそれなりに幸せな生活を送っていた。しかしある日、父親メーシャが突然逮捕されてしまう。原因は国家批判が政府側に漏れてしまったせいであったが、母親セーナはマリクに『パパは、出張中よ』と言うしかなかった。
1950年代のユーゴスラヴィアを、6歳の少年の目を通して描いた作品。クストリッツァ監督傑作品、『Underground』の10年前に作られた作品である。


初めの車中場面、メーシャが『やりすぎだな』と呟くシーンが伏線となっている。
ソ連とは違う独自の共産主義を目指していたユーゴスラヴィア。そんな時代にまともな感覚で『やりすぎ』だと愛人の前でつい発言してしまった父親メーシャ。
今の日本に生きている人間が当局関係の新聞の論調を批判した所で飛ばされることはまずないのだけれど、当時のユーゴスラヴィアはそうはいかなかったことがわかる。
体制批判者からソ連寄りの人物と勝手にレッテルをはられて強制連行。
それにより家族や親戚までもが巻き添えにあってしまう恐ろしい時代だったが、頭のキレそうな父親は共産主義体制で生き抜く方法を悟っていた。


クストリッツァの作品は直接的ではなく、その時代時代に生まれ生活した人々の選択を、一歩ひいて描いたものが多いような気がする。
ユーゴスラヴィアのその後をただ描くのは簡単だが、酷い時代を生き抜く家族、と単純なつくりではなく、仕方がなかった選択をした"どうしようもなさ"をうまく表現しているのでは。

ラストの方の祖父の『政府なんかくそくらえだ』の捨て台詞が印象的。
そしてマリクの夢遊病はそんなストーリーが進む中、なんとも可愛らしいが痛ましいく、タイトルに対して意外に厳しい現実をつくりあげていた。

今まで観たドタバタなクストリッツァ作品とはまた違うけれど、音楽もやっぱり良く、色々な部分があって人間なんだな、と人間くささを感じさせるクストリッツァ作品はやっぱり好きだなと感じた。

シリアスになりすぎず、程よく温かい作品。
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